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2010/8/9






2020年4月24日金曜日

廃墟の鳩とイマジン

昨年は10月に盟友ドクター田中が亡くなった。そして12月、自分の母親が永眠した。

以来、しばらくは悲しみや寂しさを紛らわすためか、ぼんやりとした現実の中を過ごしてきたような気がする。

しかし、新型コロナウイルスにより世界は激変し、一時的に収束しても、元通りの世界にはならないだろうと思うと、今後は、しっかりと現実を直視し理解し、想像力を働かせ行動する必要性が生ずるだろう。

そんな折、ふと聞きたくなった曲があった。

1曲は、ザ・タイガースが1968年に発表した「廃墟の鳩」
この曲は、いわゆる反戦ソングという捉え方で、それまでのポップでキャッチーで、ノスタルジックなタイガースの楽曲とは明らかに異質なものだった。

山上路夫さんのヒューマニズム溢れる歌詞。
後の「翼をください」や「虹と雪のバラード」の雛型のような村井邦彦さんの雄大なメロディは、この曲に託した熱い想いが伝わってくる。

だが、デビュー曲からの、すぎやまこういちさん(=タイガース)が好きだった自分は、この曲を後の加橋かつみさんの脱退や、音楽性の変化によってか勢いのなくなった終わりの始まりのように、勝手に位置づけしてたのかも知れない。

それまで、ザ・タイガースを聴く時に優先順位が高くなかった「廃墟の鳩」だが、この状況下においては一番心をとらえられる楽曲になった。

改めて、ザ・タイガースが音楽史において、いかに偉大な存在だったかを再認識した次第だ。


そして、もう1曲はジョン・レノンの「イマジン」
初期のビートルズや、どちらかと言えばポール・マッカートニーの音楽性に影響された自分であり、今までは大好きな曲ではあったが、現実離れした歌詞だと思っていた。今こそジョン・レノンの「イマジン」に託されたメッセージを真摯に受け止めたいと思う。

ユートピア的な世界を歌ったこの曲は、ともすれば宗教や経済社会を否定したように捉えられた部分もあるし、全人類が平和を望んでいるとは限らないけれど、ただ平和な世界を作りたいと思う人を
 「dreamer」「夢追い人」「夢想家」と言わせては、いけないなと思う。


今後は現実を十分に理解した上で「夢想家」になれたらいいかなと思う。

青木秀樹